2008年12月10日水曜日

OSXでWindows上のプリンタに印刷

■ 前説

我輩のIT環境は,マシンが Windows2000,WindowsXP,MacOSX Tiger の3台に対し,プリンタは Canon LBP3300(レーザープリンタ)の1台のみ.普段はプリンタを 2000に USB 接続しておき,プリンタの共有をオンにして XP からも印刷できる様にしてある.

以前,OSX のプリンタ設定に「Windowsプリント」という項目があるのに気づいて「こりゃすげー」と感動し,早速試してみたがだめだった.「プリンタの機種」の一覧に Canon プリンタのリストは表示されるが,肝心の LBP3300 が存在しないのだ.この一覧に表示される機種だったら Windows に接続されていても難なく印刷できるのかと思うと(真偽の程は定かでない)大いに残念だが,無いものは仕方ない.

※確か,gimp-print ドライバをインストールしたら一覧に表示されるプリンタが増えたと記憶している.

そもそもこのプリンタは CAPT という Canon 独自のプロトコルを使うので,いささか特殊である.Canon の提供するドライバが「Windowsプリント」に対応していないようなので Windows 上のプリンタで印刷することはまず無理であろう.そう思いつつも,幾つか考え付く方法を試してみたが,やはりOSXが「Windowsプリント」を可能にするのか仕組みが分からないままあがいても仕方が無いので,結局あきらめた.

そういう訳で,OSXでプリンタを使うときは,わざわざUSBケーブルを Windows から Mac に繋ぎ直して印刷するという面倒なことをせざるをえなかった.それが面倒なので普通は,Macのファイルを PDF や PS にして Windows に持っていき,Windowsから印刷する,という方法に甘んじることにした.

それから1年ほどたったが,こういう使い方はやはり面倒である.OSX から Windows 上のプリンタで印刷したいという思いは消えない.

そこで,あらためて調査したところ,Mac から Windows 上のプリンタに出力できる方法があることを発見.実際に試したところ,紆余曲折はあったものの最終的に筆者の環境でも実現することができた.以下,その要約.

■ 設定手順

Windows 上で Ghostscript と RedMon を組合せてやると,Macからも印刷できる.原理は次の通り.

Windows上に仮想PSプリンタを作り,Macからはネットワーク経由でこのプリンタにアクセスする.仮想PSプリンタに来たデータは Ghostscript が橋渡しとなって現実のプリンタに送られる.
詳細な解説や設定手順は以下のページに詳しい.

【参考ページ】
1. WindowsマシンにつながったWindows専用プリンタでWindows用ドライバを使ってLinuxマシン(やMacから)から印刷を行う方法
2. Windows機を仮想PSプリンタ・サーバにする by 小川弘和
3. MacOSXからWindows経由でのプリンタ印刷 by くいくい
  [2009/10/2 追記]本家消失.Googleキャッシュのコピー
4. Windows 機を仮想 PS プリンタにする by たちゃな@巫研
5. Ghostscript + GSview + RedMon によるPostScript互換プリンタで印刷 by <不明>
6. Windows用ドライバしかない非ポストスクリプトプリンタをLinuxのCUPS経由で使う by <不明>
7. [fol] Re: gs driver for ESC/PageS?
8. MacOS X 10.3 (Panther) + MacOSXからWindows共有プリンタに印刷

筆者の2000には Ghostscript が既に入っているので,新たにインストールしたのは RedMon のみ.

上記1~3のサイトを参考に仮想プリンタを設定し,Windows 上でこの仮想プリンタに出力してみたがうまくいかない.相当試行錯誤した結果,筆者の環境では以下の設定により動作するようになった.

1.rspファイルの作成

Ghostscript に渡すパラメータを書いたファイル(拡張子 'rsp')を準備し,好きな所に置いておく.以下は筆者の設定例.
ファイル "LBP3300.rsp'' の中身
-q
-dBATCH
-sDEVICE=mswinpr2
-dNOPAUSE
-dSAFER
-sPAPERSIZE=a4
-r600
-sOutputFile="\\spool\Canon_LBP3300"

Ghostscript の lib フォルダや fonts フォルダを指定するオプションは記述する必要がなかった.環境設定で既にパスを通してあるからだろう.

2.仮想PSプリンタのポートを構成

仮想PSプリンタの出力ポート RPT1 の「ポートの構成」の設定
〔注〕太字の部分が実際に入力する事項
〔注〕path_name は当該ファイルのパス

Redirect this port to the program:
C:\path_name\gswin32c.exe

Arguments for this program are:
@C:\path_name\LBP3300.rsp -

Output:
Program handles output

Run:
Hidden, Run as User チェック

また,仮想PSプリンタのドライバには "Apple LaserWriter Pro 600" を用いた.
最初は "Apple Laser Write II NT" を選択していたが,これは解像度600dpi に対応していないようだったので,採用を取りやめた.

3.レジストリの追加

参考ページ7に書かれた通りに,レジストリを変更する.
具体的には,レジストリエディタ regedit を使って,
[HKEY_USERS\.DEFAULT\Software\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Devices]
"EPSON LP-800S"="winspool,LPT1:"
といったエントリを追加する.なお regedit の使用は危険なので十分注意.

4.Mac側でプリンタを設定

参考ページ3の通りに設定すればヨシ.

■ 実行結果

本当に OS X から Windows 上のプリンタに印刷できるようになった!!!

参考ページ3には「範囲指定で印刷すると最初のページしか印刷されない」とあったが,筆者の場合そのような問題は生じなかった.
また,プリンタが動き出す時間も,Mac にプリンタを直接つないだ場合より短くなった.
すばらしい!!
RedMon様々である.

両面印刷やページレイアウトなど,LBP3300 の機能が活用できないという問題があるが,それはまたいつか考えよう.無理かもしれないし.

参考ページ4にある通り,LPD (line printer daemon) を動かすと,仮想PSプリンタをIPプリンタとして使用することもできる.これも動作検証済み.
 

2008年12月4日木曜日

enumerate環境のカスタマイズ

jsarticle.cls使用時のenumerate環境内で,複数行にわたる段落が
1.昔々ある処にお爺さんとお婆さんが住んでいました.お爺さ
んは山へ芝刈りに,お婆さんは川へ洗濯に行きました.お婆
さんが川で洗濯していると・・・
のようになり,字下げされない.これはイヤだ.どうにも気に食わない.
1.昔々ある処にお爺さんとお婆さんが住んでいました.お爺さ 
んは山へ芝刈りに,お婆さんは川へ洗濯に行きました.お婆さ 
んが川で洗濯していると・・・
のようにしたい.そこでカスタマイズすることに.

enumerate 環境のカスタマイズ例は以前「list環境前後の空白を調整する方法」でもやった.この環境のベースになっているのは list 環境なので,list 環境関連のパラメータを設定しなおす必要がある.list 環境のカスタマイズについては吉永徹美の LaTeX 研究室の例も参考になる.

list 環境で使用されるパラメータは下表の通りであるが,重要なのは,これらのパラメータを本文中で

\setlength{\itemsep}{1zw}

のように設定しても反映されないということ.プレアンブルで list 環境を再定義する必要がある(他にも方法があるのかどうか私は知らない).

パラメータ 説明
\itemindent ラベルの前に入るスペース。
\labelsep ラベル右端から項目までの長さ。負の値も可。
\labelwidth ラベルを含めたボックス幅。
\listparindent 一項目内の、第2段落以降で用いられるインデント量。
\leftmargin 左マージンから項目内容までの長さ。負の値は不可。
\rightmargin 右マージンから項目内容までの長さ。負の値は不可。
\parsep 各段落間のスペース。
\itemsep 新規項目の前に\parsepと共に入る行間スペース。
\parskip 段落の前に入る縦方向スペース。デフォルトは、ゼロ。
\topsep 前の段落と第一項目までの距離、次の段落と最後の項目までの距離。
\partopsep \parskip\topsepを加えた長さ。

いずれも \setlength\addtolength により値を設定する.
上表は以下の情報を参考に作成.pLaTeX2e handbook熊澤先生のページ


図にすると,こんな感じ↓になるんではなかろうか.なお,解釈が間違えているかも知れないので悪しからず.


それでは,実際のカスタマイズ結果.

jsarticle.cls ではlist 環境を次のように定義している.
\def\@listi{\leftmargin\leftmargini
  \parsep \z@
  \topsep 0.5\baselineskip
  \itemsep \z@ \relax}
\let\@listI\@listi
\@listi
ここには \itemindent\listparindent などが設定されていないので,それを追記した上で,プレアンブルに書いておけばよい.例を示す.

\def\@listi{\leftmargin\leftmargini
 \itemindent 1zw      % 追加
 \parindent\itemindent   % 追加
 \listparindent\parindent % 追加
 \parsep \z@
 \topsep 0.5\baselineskip
 \itemsep \z@ \relax}
\let\@listI\@listi
\@listi

なお,理由は不明だが \labelsep は本文中で設定した値がちゃんと反映されるので,上の例では list 環境の定義内では値を設定しなかった.

この定義を用いると
1.昔々ある処にお爺さんとお婆さんが住んでいました.お爺さ 
んは山へ芝刈りに,お婆さんは川へ洗濯に行きました.お婆さ 
んが川で洗濯していると・・・
のようになり,目的が達せられる.

1.昔々あるところにお爺さんとお婆さんが住んでいました.お爺
さんは山へ芝刈りに,お婆さんは川へ洗濯に行きました.お婆さ
んが川で洗濯していると・・・


しかし,これで話は終わらない.list環境をプレアンブルで再定義しても,それが small環境内のenumerate環境には反映されないことが発覚したのだ. jsarticle.cls を覗いて small 環境の定義を見てみて驚いた.

\newcommand{\small}{%
 \ifnarrowbaselines
  \@setfontsize\small\@ixpt{11}%
 \else
  \@setfontsize\small\@ixpt{13}%
 \fi
 \abovedisplayskip 9\p@ \@plus3\p@ \@minus4\p@
 \abovedisplayshortskip \z@ \@plus3\p@
 \belowdisplayskip \abovedisplayskip
 \belowdisplayshortskip \belowdisplayskip
 \def\@listi{\leftmargin\leftmargini
       \topsep \z@
       \parsep \z@
       \itemsep \parsep}}

となっているのだ.なんと,smallの定義内で list環境が独自に定義されているではないか.これにはやられた.footnotesizeについても同様だった.何ゆえ一々定義するのか不明だが,そうなっている以上, small 環境内の list 環境をカスタマイズしたければ small 環境も再定義するしかない.先と同様に

 \itemindent 1zw      % 追加
 \parindent\itemindent   % 追加
 \listparindent\parindent % 追加

の三行を追加することにより,問題が解決した.
それにしても何故,jsarticle では文字サイズを変えるたびに list 環境を再定義してあるのだろうか(jarticle.cls の場合どうなっているのかは面倒だから確認していない).謎である.

2008年11月25日火曜日

Macのファイルが壊れた

MacOS X Tiger のとあるドライブ上に保存された動画ファイルがアクセス不能になった.再生中に途中で止まってしまうのだ.

Veohから落とした動画ファイルだったので,ファイル内のデータに一部不正が存在する可能性があると考えた.またこの動画は AVI で, Mac では AVI の再生時にしばしば不具合を生じるので,取り敢えず Windowsマシンにコピーしてから中身を検証してみようと思い,コピー操作をしたら Mac 側で I/O エラーが出た(エラーコード -36).

そこでディスクユーティリティーで当該ボリュームをテストしてみたが不具合無し.どうやらファイルの存在する記憶域が物理的に破損しているようだ.

うーむ.困った.ハードディスクの表面テストをしなければならないが,手元には OS9 用の Norton Utility しかない.OS 9 で再起動し Norton Utility で OS X の入ったドライブに手を加えるのはさすがに怖い.

OS X 用のユーティリティーを探さねば.それまでこのドライブへのアクセスは極力避けよう.不便だが.

===================================================
ここまでは1月程前の話.TechTool Pro 4 が良さそうだとあたりを付け,購入.
早速表面テストを実行してみたらやはり不正ブロックが1つ見つかった.壊れたファイルがこのブロック内にあるのかどうかは不明だが,この不正ブロックはなんとかしなければならない.

ところが,TechTool Pro には見つけた不良ブロックを使用できないように設定する機能がなかった.マニュアルによると,

「ATAドライブのドライブコントローラは不良ブロックが見つかるとそれを自動的に閉鎖しようとする」

らしい.だからTechTool Pro にとっては「わしゃ知らん」ということか.

それにしても,ドライブコントローラに不良ブロックを見つけさせるにはどうしたらよいのだろう.
壊れた動画を再生している時,不良ブロックに出会っているのに何もしていないという事を考えると,不良ブロックをファイルが占有しているときは何もできないのだと予想される.

怖いけれども,破損ファイルを一度消してみるか.
消す前にボリュームのバックアップを取ろうと Carbon Copy Cloner で当該ボリュームの差分バックアップを試みるが,やはり破損ファイルのコピーに失敗したところで作業が止まってしまう.

昔 Carbon Copy Cloner でバックアップしたボリュームと現ボリュームの差を TriBackup の試用版で調べ,手動で差分バックアップを取ろうかと思ったが,OSが作るファイルに多量の相違が見つかったので面倒になってやめた.

で,「えいやっ」と破損ファイルを消す.
で,当該ボリュームにひたすら画像ファイルをコピーし,空きスペースを全て画像で埋めてみた.その数1万8千個.
で,今度はその画像ファイルを別のボリュームにひたすらコピー.不良ブロック上に書かれた画像ファイルであれば,コピーする際に再度I/Oエラーが起きるはず.
しかし,エラーは全く発生しない.
で,当該ボリュームにコピーした画像ファイルを全てゴミ箱に入れ,「確実にゴミ箱を空にする」を実行.所要時間300分.
で,再度 TechTool Pro で表面テスト.
で,結果はOK!不良ブロックは発見されなかったヾ(* ̄▽ ̄)ノ

どうやら,この作業の間にドライブコントローラが不良ブロックを見つけて閉鎖してくれたらしい.
何とも運任せのリカバリーだが...取り敢えず問題は解決.
 

このコマンドを処理するのに必要な記憶域をサーバーで確保できません

Windows 2000 のマシンに新しい外付けHDを増設し,その中のフォルダに共有設定を施したが,XPからもOS X からも当該フォルダにアクセスできない.XPマシンからアクセスを試みた際表示されるエラーメッセージは
「このコマンドを処理するのに必要な記憶域をサーバーで確保できません」
である.
これまで,Windows2000の色々なドライブのフォルダを8個ほど同時に外から見えるようにして使ってきたが,なんら不具合は無かったので,突然のトラブルである.

新しく増設したドライブの容量が大きいためかと思ったが,調べてみたらまたもやレジストリをいじらなければ解決しない問題であることが分かった.
相変わらず不親切なOSである.何故にコントロールパネルで設定できるような設計にしておかないのか.

以下はH.M.PAGE blogからの引用.一部改変.
--------------------------------------------------------------------ここから
「スタート」→「ファイル名を指定して実行」を選ぶ。
regedit と入力してEnter。
次のキーを選ぶ。
HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services
\LanmanServer\Parameters
「編集」→「新規」→「DWORD値」を選ぶ。
「新しい値 #1」の名前を「IRPStackSize」にする。
「IRPstackSize」をクリックして、「10進」を選ぶ。
値のデータの部分に「15」を入力して「OK」を押す。
再起動。
--------------------------------------------------------------------ここまで

この通りやったが問題が解決しない.さらに調べると,
http://support.microsoft.com/default.aspx?scid=kb;en-us;Q177078
には
・IRPStackSizeが存在しない場合のデフォルト値は15であること,
・3増やすのが良いこと,
が書かれていたので,IRPStackSizeの値を18にした結果,上手くいった.
 

2008年11月10日月曜日

Windows2000再インストール時の大トラブル

過日、「 Windows2000 を再インストールした」 と日記に書いたが、実はその際余りにも衝撃的な致命的ダメージが発生してしまった。事態の建て直しばかりか、気持ちが立ち直るのにも大変な時間を要する程の一大事。気持ちがようやく落ち着いてきたので、そのときの状況をメモしておく。

筆者は160GBの内蔵型ハードディスクをIDE接続のセカンダリドライブとして使用しているが、Windows 2000標準のIDEドライバは 48bit LBAをサポートしておらず、137GB以上の領域が認識できない。つまり、160GBのハードディスクであっても、137GBしかないと認識されてしまう。

この事をすっかり忘れていた!!

既に160GBフルに領域を確保したセカンダリドライブを接続したまま Windows2000を再インストールし、なにも気づかずこのドライブのファイルを消したり書いたりした結果、ぶっ壊れたファイルが続出(泣)。20GB超のファイルがお亡くなりになった。嗚呼orz...

しかし、トラブルはそれだけではなかった。

ファイルの消失で被った被害の甚大さに鬱々としながらも、とりあえずリカバリーに着手。生き残ったファイルを別ドライブに退避させ、ハードディスクに添付されていたユーティリティーを使ってOSが137GB以上のディスクでも認識できるようレジストリを書き換えてみたものの、当該ドライブが160GBであるということをOSが認識しなくなった。ディスクを再フォーマットしても結果は同じ。

起動時にF12を押してBIOS画面を出すと、セカンダリドライブの容量は160GBとなっていたので、ハード的には問題ないのだが、OSの方が馬鹿になっている。セカンダリドライブを外した状態でOSを再インストールし、137GB以上に対応するようレジストリを書き換えてからセカンダリドライブを接続すればうまくいくのかも知れないが、そこまでする気力はない。

そこで何か良い方法はないものかとWebを徘徊しているうちに、一縷の望みが沸いてきた。
Intelアプリケーション・アクセラレータ(Intel Application Accelerator、以下IAA)を利用すれば、大容量ドライブが認識できるようになるという情報を発見したのだ。

 137Gbytes超IDEディスクの正しい使い方
 進化するIntel Application Accelerator

幸い、マシンの環境がIAAの動作条件を満足していたので、さっそくIntelのサイトからWindows 2000 用の Intel® Application Acceleratorをダウンロード。 そのほか、筆者のマシンで使用しているチップセット(800シリーズ)のINFも最新版にアップデートしておく。

祈る気持ちでマシンを再起動し、「コンピュータの管理」ツールで「ディスクの管理」画面を開くと、セカンダリドライブの容量が無事160GBと認識される運びとなった。めでたしめでたし。

このあとドライブから退避させていたファイルを呼び戻し、障害前の状態へ復旧させるためには多大な時間と労力が必要となるのだが、、、とりあえず最大の難関は越えたようだ。
 

2008年11月9日日曜日

PSTricksのバージョンアップ

以前MacOS9用の MacpTeX 2.1.9 上で作成した、PSTricks パッケージを使った TeX のソースを OS X 上で再コンパイルしてみたらエラー続出でさっぱりわやになっていた。

そういえば、以前 MacOS9を使っていた頃、PSTricksの新バージョンが出ていたのでそれを導入してみた所、同じ症状が出たことを思い出した。当時も色々問題解決を試みたがどうにもならなず閉口してしまい、結局バージョンアップは断念したのだった。

ならば、OS X 上の PSTricks も旧バージョンに戻さねばならぬか、と思ったが、バージョンを下げるのも癪なので、再び色々調べてみたら、PSTricks だけでなく、PSTricks が内部で使用する他のパッケージも幾つかバージョンを上げなければならない、といったことが分かってきた。

この事自体は、teTeX-3.0 の中に含まれていた PSTricks が、そのままの状態で正常に動作しないという訝しい状況を説明してくれないが、 teTeX-3.0 に含まれるパッケージ相互の連関が上手く取れていない可能性があることを示唆しているのかな、と思い、とりあえず
   http://tug.ctan.org/tex-archive/graphics/pstricks/
からPSTricksの最新版を落として導入してみた。すると、、、

・・・なんの事はない。昔作ったPSTricksを使って書いた図のソースが難なくコンパイルできた。そりゃコンパイルが通った事自体は嬉しいが、いささか拍子抜けの感も否めない。以前さんざ苦労したのはなんだったのか。PSTricksのパッケージ自体が不味かったのではないかという疑惑さえ頭をもたげてしまう。

何しろ、pstricks.sty の日付が 2008-10-31 となっているのだ。つい先日のことではないか。PSTricksはいまだに日々進歩しつづけているらしい。コンパイルが通るようになった理由をあれこれ追求したいのは山々だが、昔作った資源が使えるようになったのだから、もう深追いはやめよう。そんな時間もないし。
 

gz、tgz 等の解凍・圧縮方法

UNIX 系のアプリケーションやパッケージは大抵 gz や tgz で圧縮されているが、日頃こういったファイルは使わないので解凍法をすぐ忘れてしまう。
Linux 上での解凍・圧縮方法」というページに、解凍に使用するコマンドと使用例が非常に要領よく整理されていたので、引用させていただく。

圧縮書庫形式 拡張子 解凍コマンド
TAR 形式+GZIP 形式 〜.tgz, 〜.tar.gz gzip -dc filename | tar xvf -
GNU tarが使える時(zオプションを使える時)
tar zxvf filename
LZH 形式 〜.lzh lha e filename
もしくは
lha x filename
ZIP 形式 〜.zip unzip filename
bzip2(BZ2) 形式 〜.bz2 bzip2 -dc filename
もしくは
bunzip2 -c filename
TAR.BZ2(TBZ) 形式 〜.tar.bz2, 〜.tbz bzip2 -dc filename | tar xvf -
y/z/I オプションを使えるtarコマンドを持っている時
tar yxvf filename
tar zxvf filename
tar Ixvf filename
TAR.Z(TAZ) 形式 〜.tar.Z tar zxvf filename
もしくは
uncompress -c filename | tar xvf -
gzip(GZ) 形式 〜.gz gunzip filename
もしくは
gzip -dc filename
compress(Z) 形式 〜.Z uncompress filename
もしくは
compress -d filename
TAR 形式 〜.tar tar xvf filename
ARJ 形式 〜.arj unarj filename


TAR オプション一覧

tar.gzファイルを展開せずに中身を確認する
% zcat FILE.tar.gz | tar tvf -
もしくは、
% tar tvzf FILE.tar.gz
tarの展開で時間を短くする(-vオプション=詳細モードを表示しない)
% tar xzf FILE.tar.gz
-c, --create 新しいアーカイブを作成する
-d, --diff, --compare アーカイブとファイル・システムとの差分を取る
--delete アーカイブから削除する(磁気テープ上の tarfile に 使 う事は出来ない)
-r, --append アーカイブの最後にファイルを追加する
-t, --list アーカイブ内容の一覧を表示する
-u, --update ア ーカイブ内の同名のファイルより新しいものだけを追加する
-x, --extract, --get アーカイブからファイルを抽出する
z, gzipを通し、tar.gz形式のファイルを一度に圧縮・解凍する。
I, bzip2を通し、tar.bz2形式のファイルを一度に圧縮・解凍する。



UNCOMPRESS(COMPRESS) オプション一覧
圧縮ファイル名は元ファイル名の最後に .Z を付けたものとなります。
Lempel-Zipアルゴリズムを使用して圧縮しており、昔はよく使われていましたが、 今はより圧縮率の高い gzip があるので、特に理由がない限り gzip を使う方がよいと思われます。
-d 圧縮ファイルを展開する
-v ファイルが展開(圧縮)されるたびにメッセージを表示する
-c 圧縮ファイルを標準出力し,元ファイルを残す
-r 再起的にディレクトリ内を展開(圧縮)する



GUNZIP(GZIP) オプション一覧
-d 圧縮ファイルを展開する
-v ファイルが展開(圧縮)されるたびにメッセージを表示する
-c 圧縮ファイルを標準出力し,元ファイルを残す
-r 再起的にディレクトリ内を展開(圧縮)する
-l 圧縮ファイルのリストを表示する
-n 元のファイル名とタイムスタンプは保存しない

TeX — Tipa パッケージ のインストール

TeX で発音記号をタイプセットする必要が生じたので、
   The Comprehensive LaTeX Symbol List
を繰ってみたところ、Tipa というパッケージで実現できることが判明。

自分が使用している teTeX-3.0/ASCII pTeX-3.1.9 の中には含まれていなかったので、さっそく
   CTAN/tex-archive/fonts/tipa
へ拾いにいく。最新バージョンは1.3だった。
奥村氏の TeX Wiki にある説明通りインストールしたところ、難なく導入できた。

英語の音を表記するのに必要な発音記号には非常に簡略化された入力方法が準備されているのでコーディングも楽々。例えば、
   accuracy なら、¥textipa{\ae kjUr@si
   concentrate なら、¥textipa{k¥'Ans@ntr¥`eit}
といった塩梅。素晴らしい。

発音記号を表示したときの文字間隔が若干狭い点にいささか不満を感じるが、これだけのことができるのだから文句は言うまい。
 

2008年9月21日日曜日

Windows2000の再インストール

DELL製Dimension8200(OS=Windows2000)のレスポンスが壊滅的に遅くなったので、OSを再インストールすることにした。以下、インストール経過の記録。

OSのインストール

01.マシン付属のインストール用CDから Wiondows2000 をインストール
02.マシン付属の Resource CD から各種ドライバをインストール.
03.音がおかしいので,サウンドドライバを再度インストール.OK.
04.ネットに繋がらないので,イーサネットドライバを再度インストール.OK.

〔ここで AVG Anti-virus を導入しようとしたら,SP4+α が必要とハネられた〕

05.Windows 2000 SP4 にアップグレード.
   (別のパソコンで落とした W2KSP4_ja.exe を実行)

Windows Update の実行 その1

06.Windows インストーラ 3.1 v2 をインストールさせられる
07.IE6.1 をインストール
   (IEを5.5以上にせよと要求されたため)
08.2000および2000 SP4 用の更新プログラムなどをインストール
09.DirectX 9.0c をインストール

Windows の環境設定(レジストリをいじる)

IE6をインストールすると、再起動時に以前のフォルダウィンドウが再現されなくなる。そこで以下の設定を行う。〔引用元:http://homepage2.nifty.com/winfaq/c/trouble.html

[スタート]-[ファイル名を指定して実行] から regedit を起動。
HKEY_CURRENT_USER \Software \Microsoft \Windows \CurrentVersion \Explorer \Advanced を展開。
[編集]-[新規]-[DWORD 値] をクリックし、PersistBrowsers を作成。
PersistBrowsers をダブルクリックし、データに 1 を設定して「OK」。

アンチウィルスソフトのインストール

10.AVG Anti-virus free edition をインストール.
11.同アプリをアップデート.

Windows Media Player のインストール

12.Windows Media Player 9 をここから落としてインストール
-- インストーラの「同意・不同意」の画面が出たら,explororで
  C:\Documents and Settings\xxxxxxxx\Local Settings\Temp\xxxxx.tmp
のフォルダを開き(xxx は各自異なる),
   wmvdmod.dll
   wmvcore.dll
   drmv2clt.dll
   DRMClien.dll
   DrmStor.dll
をどこかにコピーしてとっておく.こんなことをする理由はここ
-- Windows Update で Windows Media Player 9 をアップデートする.
-- 再起動したら,先に保管しておいた5つのファイルを
   c:\windows\system32
に上書きコピーする.
-- Internet Explorer で Gyao のサイトに行き,なにか動画を見る.DRM関連の更新を要求されるので,了承して更新させる.

こんな面倒な作業が必要なのは Gyao との絡みがあるため.
なお,ここに書いた作業が必要にして十分かどうかの保障はない.

アプリケーションのインストール その1

13.URLSnooper 2.0.14 をインストール
14.GetASFStream 2.2.o.5 をインストール
15.FairUse4Wm 1.o.3.0 をインストール
このあと,Gyaoから動画を落とし,DRM解除できるか確認.OK.

アプリケーションのインストール その2


ここから先はひたすらアプリケーションのインストール

16.FireFox
17

ユーティリティ(特にアーカイバ)のインストール
09. 

2008年9月13日土曜日

Spotlightの機能を停止

OS X 10.5 の場合

以下のファイルを当該フォルダから撤去し,Macを再起動すれば,以後Spotlightは起動されない.

/System/Library/LaunchAgents/com.apple.Spotlight.plist
/System/Library/LaunchDaemons/com.apple.metadata.mds.plist

(引用元:LeopardのSpotlightを完全に無効化@那覇レポート)
(元記事:MacOS X Hints:10.5: Disable Spotlight completely

【実行結果】
自分のホームの下に「systemから退避」というフォルダを作成し,そこにコピー.
元ファイルはゴミ箱へ移動.
その後再起動したところ,確かに Spotlight はメニューバーから姿を消した.
そこでゴミ箱を空にして
 com.apple.Spotlight.plistと
com.apple.metadata.mds.plist
を削除.
Spotlightの停止により派生する不具合は不可知.

Spotlightを復帰したい場合は,保管しておいたファイルを元の位置に戻して再起動すれば良いはず.


OS X 10.4 の場合は/etc/hostconfig で設定.
SPOTLIGHT=-NO-
とする.
http://code.nanigac.com/source/view/31 を参照.
 

2008年8月31日日曜日

wmvを6つほど結合してDVD-videoを作る

6本程度のwmvビデオを結合して1本にまとめるだけでは飽き足らず,DVD-videoに変換してDVDに焼きたくなり,色々試してみた.試行の記録と最終的に落ち着いた手順のメモ.

1) wmvビデオを結合 【Movica 0.6.6.1 を使用】

2) 結合した wmv を mpg に変換 【super 2008 build.32 を使用】

Superの条件設定は次のとおり

output container: mpg
output video codec: MPEG-II
output audio codec: AC3

[VIDEO]
video scale size: 720x480 (*1)
Aspect: 3:2 (*1)
Frame/sec: 29.97fps
Bitrate: 9600kbps

[AUDIO]
Sampling frequency: 48000Hz
Channels: (*2)
Bitrate: 448kbps

3) 変換したmpgのチェック 【TMPGEnc と MMName を使用】
mpegツールの簡易分離で画像ファイルと音声ファイルに分割してみる.
もとのファイルと分割した2ファイルの計3つをMMnameにかけて再生時間を見る.全て同じなら,2)で作成したmpgをDVDForgerにかければ音ズレなしにDVD-videoにできると思われる.

 再生時間が一致していない場合は,さらに以下の手順を踏む必要がある.

4) 変換したmpgから画像ファイルを抽出 【super 2008 build.32 を使用】

Superの条件設定は次のとおり

output container: mpg
output video codec: -
output audio codec: -

[VIDEO]
stream copy
[AUDIO]
Disable Audio

ここでできた動画のみのファイルはm2p形式である.

5) 変換したmpgから音声ファイルを抽出 【super 2008 build.32 を使用】

Superの条件設定は次のとおり

output container: ac3 (Audio only)
output video codec: -
output audio codec: -

[VIDEO]
Disable Video
[AUDIO]
stream copy

6) DVD-video 形式のisoを作成【DVDforger0.6.1 alpha を使用】
6-1) 「ビデオ/音声トラックと字幕の編集」をクリックする
6-2) 「ビデオファイルを追加」をクリックして,画像のみのファイルを指定する.
6-3) 「グループの音声ファイル」を有効にし,「音声ファイル」に手順5)で作成したac3ファイルを指定.
6-4) 他の必要事項(メニュー画面など)を設定してDVD作成を実行

 

2008年8月26日火曜日

所定用紙をスキャンして記入

履歴書,各種申請書など,あらかじめ体裁の定められた用紙に必要事項を記入しなければならないことがある.記入事項が少なければ手書きで充分だが,長文になると勢い手書きする気力は失せてしまう.

かといって,わざわざ所定用紙と同じものをワープロの罫線機能を使って一から作るなどということはしたくない.

また,定規を使って印刷位置を測り,ワープロで文字だけ記入したあと印刷位置を一生懸命に微調整し,できたファイルを所定用紙のコピーにプリントアウトするという手もある(昔は私も周囲の人間もこれを良くやっていた)が,これも時間の無駄だ.

それほど手間ヒマかけずに見た目が奇麗な書類が作れないかということで,スキャナとグラフィック編集ソフトを用いる方法を少々検討してみた.以下,その手順と検討時の覚書き.

◆MacのGraphicCovnerterを使用する場合.
〔注〕GraphicCovnerterは画面に表示している時の倍率が印刷時の倍率に影響するという,ちょっと変わった仕様となっているので,等倍で印 刷するには多少のテクニックが必要.ここでは,それに対応できる方法を書いておく.他のアプリ,OSを使用する場合はここまで気をつけなくとも等倍に印刷 できる(だろう).

(1) スキャナで用紙をスキャンする.
  ・解像度は600dpi
  ・B/W(つまり1bit)推奨
  ・スキャンの範囲は広めの方が良い
  ・保存型式はtiffを推奨
(2) スキャンした画像の寸法を画像ファイル編集ソフトで4600bit×6730bitにする
  ・GraphicConverterの場合,新規に4600bit×6730bitのブランク画像を

2008年8月8日金曜日

asf動画をDVD-videoに変換

FairUse4Wmを通したfoo.asfをDVD-videoにする手順

使用するモノ:
DVDforger 0.6.1 alpha(DVDオーサリングツール)→使用法解説@動画狂
Super© v2008.build.32(動画形式変換ソフト)→使用法解説@動画狂

foo.asf をソースにし,DVDforger を使って iso ファイルを作ると音がずれてしまう.そこで一工夫必要.

Superで foo.asf を mpeg 形式に変換する.その際の条件設定は次のとおり

output container: mpg
output video codec: MPEG-II
output audio codec: AC3

[VIDEO]
video scale size: 720x480 (*1)
Aspect: 3:2 (*1)
Frame/sec: 29.97fps
Bitrate: 9600kbps

[AUDIO]
Sampling frequency: 48000Hz
Channels: (*2)
Bitrate: 448kbps

(*1) この段階で,VOBの規格に合わせておいた方が良いのではないかとの判断による
(*2) ソースファイルのチャンネル数に準じる


この変換でできた foo.mpg を DVDforger に渡し, DVD-video に変換すれば,音ズレなし!!
DVDの形式はNTSCである.
DVDforgerはメニューを付けることができるので便利.

WindowsのDVDオーサリングソフトを使って焼いた4GB(1層)のDVDが,なぜかうちのDVDプレイヤー(Panasonic DIGA)では再生できない.8GB(2層)だったら読めるのに・・・

色々試行錯誤して判明したのは,4GBの場合,トップメニューがあるDVD-videoでなければ読めないということ.そんなわけで,メニューが作れないフリーソフトが多い中,メニューが作れるDVDforgerはなくてはならない存在.ただ,ビデオの再構成を2パスでやるため4GBのビデオに2時間ほどかかってしまうのが難点.


ちなみに,DVDforger では iso ファイルを作る設定にしておくと良い.いつでも DVD に焼けるし(Macを使ってでさえ!),Virtual Daemon manager を使って仮想ドライブにマウントできるから便利.

〔参考〕 Super で動画形式を変換する際,

output container: AutoMode VCD, SVCD, DVD

を選ぶと画質が劣化してしまった.原因は不明だが,このモードはお仕着せで,ビットレートなどの指定ができないため,使えない.foo.vod を作っておけば,DVDforger での処理時間が短縮できるのではないかと期待したのだが,あてが外れた.
 

2008年7月24日木曜日

雑記

「コンビニの深夜営業自粛は百害あって一利なし」

2ページ以降に関するコメントは他の方にお任せするとして,
  「どれだけ省エネになるかを議論にせず、単に目立つところをた
  たき、いかにも『やっています』というパフォーマンスを見せている
  に過ぎない」
という意見に大賛成である.

コンビニの深夜営業に規制をかける政策を打ち出すなどは,地方自治体の役人や議会議員どもが,「わたしたちは合理的・理論的思考のできない愚か者の集まりです」と声高に叫んでいるに等しい.頭が悪すぎる.中学生や高校生にアイディアを出させた方が,よほど良い政策ができるだろう.

今の役人と政治家には,中長期的視点に立ち,地に足の着いた政策を立て,腰を据えて遂行できる能力を持った人間がいない.あるいは,いたとしても,そのような人物が活躍できる土壌がない.そして,森永氏をはじめとする評論家がいくら批判しても彼らには届かない.

嘆かわしい限りである.

一般に,「センセイ」と呼ばれる仕事に就いている人間がその地位にたどりついた動機には2つある.一つは「人のため」,もう一つは「己のため」だ.今の政治家,役人は権力欲と名声欲にとりつかれ,「己のため」に役職にしがみついた人間ばかりが目立つ.

巷には「人のため」に仕事がしたいと願う,理論的思考のできる人々が溢れているはずだ.にもかかわらず,「出しゃばる」という政治的能力を持ち合わせていないため,世に現れてこない.彼らが政治に参画できる道を造らない限り,「コンビニ規制」のような愚考はなくならないだろう.
 

2008年5月15日木曜日

動画の音ズレと格闘 その2

実験2で生成された映像ストリームには内部矛盾が生じており気持ち悪いので,別の方法でm2vを作ってみることにした.

【実験3】
今度は,SUPER というフリーのビデオ変換ソフトを使い,実験2と同じ asf 形式動画から映像ストリームのみを抽出してMPEG-2に変換してみた.
設定は以下の通り.
1.mpg(Mpeg-II)
2. Mpeg-II
3. mp2 (どうせ使わないから何でもいい)
4. nochange, 16:9, 29.97 frame/s, 8016 kbps,
5. disable audio

出来たファイル(foo.mpg)の再生時間は 2:05:23 であった.再生時間が極端に短くなるような事は起きなかったが,それでも音声ストリームとの間には再生時間に若干のズレがある.映像の方が2秒長い.実際に foo.mpg を再生してみると,2:05:23 を過ぎてもまだ10秒ほど映像の再生が続く結果となった.まだ内部矛盾が残っているようだ.▼

【実験4】
実験3で作った foo.mpg には若干おかしな部分が残っているが,とりあえずこのファイルと実験2で作ったfoo.ac3 をソースにして,DVDビデオを作ってみた.使用したアプリはフリーのDVDオーサリングソフト DVDforger である.
〔補記〕DVDforger はDVDビデオへのエンコードを 2pass でやる(デフォルト設定)ので,iso ファイルの作成に酷く時間がかかってしまった.試験的にisoを作るだけなので,この選択は失敗だった.

さて,できたビデオには残念ながら音ズレが発生した.





をTMPGEnc で m2v と ac3 に分離してみた.

2008年5月13日火曜日

動画の音ズレと格闘

unDRMしたGyaoのasfをDVDにすると音ズレ発生

Gyaoから落とした asf を Automate unDRM で処理し(この時点では音ズレなどの問題は無い), DVD Flick や DVDforger で DVDビデオに変換すると,長いビデオは途中から音がずれてしまう.

この現象は,Automate unDRM で処理した asf のファイルサイズがオリジナルのファイルよりも小さくなることと関係あるのだろう.FairUse4Wm で処理したものは音ズレしないという情報があるが,FairUse4Wm を使えば変換の前後でファイルのサイズに変化は無いことを考えると,この情報はおそらく正しいだろう(まだ試してはいない).

しかし,Automate unDRM で処理した asf のストックをDVDにしたい気持ちは捨て難い.なんとか音ズレを避ける方法はないものだろうか.

そこで,まずは,DVDビデオと圧縮動画の関係についてお勉強することにした.

DVDビデオはMPEG-2から再圧縮なしに直接つくることができる.
MPEG-2以外の動画ファイルはいったんMPEG-2に変換(再圧縮・再エンコード)してからDVDビデオをつくる.
DVD MPEG 完全詳細マニュアルの記事〔DVDビデオからMPEG-2へ,MPEG-2からDVDビデオへ〕より引用

なるほど.では,DVDビデオとMPEG-2はどういう関係にあるのだろうか.

■DVDビデオをMPEG-2に変換する法〔前掲ページ要約〕

1.映像ストリームと音声ストリームに分ける(demuxという)
 1-a. 映像ストリームはVobEditやTMPGEncを使って取り出す(m2vファイル)
 1-b. 音声ストリームはDVD2AVIを使って取り出し(wavファイル),TMPGEncでmp2に変換する
2.両者を再合成してMPEG-2に変換する(remuxという)
 2-a. 両者をTMPGEncにかけてm2pファイルに変換.これでMPEG-2の出来上がり.

■MPEG-2をDVDビデオに変換する法〔前掲ページ要約〕

1.映像ストリームと音声ストリームに分ける
 1-a. mpgファイルをTMPGEncにかけて映像ストリーム(m2v)と音声ストリーム(mp2)を取り出す
2.両者を再合成してDVDビデオに変換する
 2-a. m2vとmp2をIfoEditにかける

つまりDVDビデオとMPEG-2とで映像データと音声データの形式に変わりは無いという事であろう.映像と音声の混ぜ方だけが違うのだと考えてよさそう.

【実験1】
そこで試しに,DVDビデオにすると音ズレる asf (以後 "foo.asf" とする)を Any Video Converter を使って MPEG-2 に変換してみた.すると,得られた mpg には音ズレが生じていた.なるほど確かにこの時点ですでに音ズレる訳か.

この mpg をこのままDVDビデオに変換してもうまくいく訳がない.ならばまず考えられるのが,このmpgをdemuxして映像ストリームと音声ストリームに分け,音声ストリームをいじくってからDVDビデオにremuxする,という方法だ.

という訳でさっそく実験.その前に必要なアプリの調達から.

TMPGEnc には有償版とフリーウェアがある.無料版でMPEG-2 ファイルを扱うことができるのは最初の1ヶ月間のみ.ちょっと痛いが,MPEGのライセンス問題が絡んでいるため,有償なのは致し方ない.β12a以前のバージョンにはこのような制約が無かったというが,今となっては探すのも大変だろう.このあたりで検索したら見つかるやかも知れない.

【実験2】
再生時間が120分強の asf 形式動画をTMPGEnc で m2v と ac3 に分離してみた.できたファイルの再生時間を MMname2 で調べてみると,
   音声 foo.ac3 2:05:21 (正常)
   映像 foo.m2v 0:26:37 (異常)
となっている.音声は正常だが,映像の方は名目上の再生時間が26分しかない.m2vにはちゃんと2時間分の映像データが入っており,プレイヤーでちゃんと最後まで再生できるにもかかわらず,だ.26分というのは,おそらく最初にCMが入った時刻と思われる. ▼

m2v ファイルが孕むこの矛盾を解消してやれば,DVDビデオに変換した際の音ズレは無くなるのではなかろうか.しかし,ファイル内のどこをどう書き換えればよいのか分からないので,手の施しようがない.後ほどツール探しでもすることにして,ここは一旦保留にしよう.



以上の情報から,音ズレは asf を m2p に変換する時点で発生したと考えられる.それを裏付けるのがMyCometG3にあった次の記事.

 ・m2vなmpegは時間同期の概念がないけどvobにはある
 ・AVIにはトラック間で時間同期をとる概念がもともとない

動画関連リンク

DVDに焼いたTV番組を圧縮動画にしたり,ネットで落とした動画をDVDに焼いたりするノウハウをお勉強しているうちに,随分とブックマークが溜まってきた.ここらで整理しておくことにしよう.


■ 総合サイト
Japan.Burn DVD Movie.com
 DVDからの動画吸出し,及び動画の圧縮形式変換に関連するアプリの集大成.
DVD Backup Guide
 DVDのリッピング,及びDVD-video作成ノウハウ満載.各社DVDメディアの検証もあり.
DVD MPEG 完全詳細マニュアル
 DVDのリッピング,及びDVD-video作成ノウハウ満載.デジタル音楽関連にも強い.
動画狂コーナー
 DVD-video作成ノウハウが超満載.動画ソースの調達に関わる情報もとてつもない量.

■ アプリケーション リンク
k本的に無料ソフト・フリーソフト-動画変換ソフト・エンコーダー

2008年4月3日木曜日

DVD-video のバックアップ

せっかく Mac 用に DVD-R DL 対応のドライブを買ったんだから,手持ちのDVDのバックアップを取りたいな,と思い立ち調べてみたらスグレモノのアプリが見つかった.
MacTheRipperがそれ.
英語版だけど画面がシンプルで使いよい.吸い出す時には細かい設定が必要になるときもあるけれど,マニュアルが視覚的なので,それを見ながらやればたいした苦労もなく条件設定ができる.
それに,MacTheRipper | Macの手書き説明書に詳しい説明が出ているので,心強い.

ところが,吸い出しはうまくいったものの,それを DVD に焼く時点で問題発生.Burn を使ってみたのだが,Mac で焼いた DVD を DVD プレイヤーに突っ込んでみても認識しない.

仕方がないので Windows のフリーウェア ImgTool を使って吸い出したデータを iso 形式のイメージに変換し,これを Burn で焼いてみたところうまくいった.

Windows を介さなければいけないところが気にくわないけど,当面はこれで良しとしよう.Mac で iso イメージに変換する方法はおいおい探すことにしよう.
 

2008年3月25日火曜日

powerdot-prosperの後継

マイク○ソフトの power point に類似したプレゼン用ドキュメントを TeX 環境で作成するツールに prosper がある.一応,使えるよう設定はしたももの,文法を覚える暇がなく*1残念ながらほとんど使っていなかった.

ところが,その後継として powerdot なるものが現れたようだ.そのマニュアルによると,prosper には解決のできない問題がいくつかあるらしく,powerdot に移行すべしとやんわり迫っている.今後,TeX でプレゼン資料を作る際には, powerdot を使う方向で検討しなければならないだろう.

【参考】
TeXでプレゼン powerdotを使おう
Kamopka
powerdot付属マニュアル日本語版

*1
私は,必要が生じたとき,その必要を満たすのに最低限必要なことを調べて覚える主義.ところが,プレゼン資料を作成する時に,時間的余裕があったためしなど一度も無い.よっていまだにprosperは使いこなせない.私だけ?

 

TeX-dvipsk(Win)→macps2pdf(OS9)の不具合

こんな手順がそうそうあるとは思えないが,たまたまやってみた所,不具合が見つかったというレベルの話.もしかしたら,別のケースでも類似の不具合が起こるかも知れぬと思い,メモ.

Windows XP 上の dvips(k) 5.92b p1.6 で作成した ps ファイルを Mac OS 9 上の macps2pdf で PDF ファイルに変換したら,上の余白が切れ,数式のフォントがギザギザになった.

  dvipsk -D 600 -t A4 foo.dvi

として,解像度と用紙を明示的に指定しても結果は変わらず.

なぜ?
 

dviout-source special でエディタと連携

dviout for Windows は,V3.11から source special に対応した.つまり,dvioutで dvi ファイルを閲覧している際に,画面上で文書の文字をダブルクリックすると,エディタが開いて tex ファイルの該当部分にカーソルが移動するというものだ.

これができなきゃ統合環境とは呼べんわな,的に重要な機能と言えるだろう.

この情報は以前から知っていたが,その情報源からは「設定が面倒」という印象を受けたため,採用は保留していた.

ところが,今扱っている tex 文書のサイズがあまりにも大きくなったため,自力で dviout とエディタの間を行き来するのがとてつもなく面倒になってきた.こりゃ余りにも非効率だということで,source special の設定を検討することにした.

改めて調べてみたら,格別難しい作業が必要な訳ではなかった.ただ,エディタに送るコマンドがエディタ毎に異なるので,それを調べるのが若干面倒といったところ.

以下,設定方法.

dviout のメニューから
 「Option」→「Setup Parameters...」→「Common」タブ
一番下,"src:" とある空欄に以下の通り記述する〔この例は Crimson Editor の場合〕.

<path\cedt.exe^s/L:%d "%s"

ここで、先頭の不等号はエディタを開いたら dviout を最小化する動作を指定する記号。

[適用]をクリックしてから,[OK]をクリックし,設定画面を閉じれば終了.

texソースをコンパイルする際は,
  platex -src tex_source
のように -src オプションを付ければよい.

2008年3月11日火曜日

OS X に「起動項目」フォルダはないのか?

OS 9 の時は,「システムフォルダ」内の「起動項目」フォルダにアプリケーション(またはそのエイリアス)を入れておくと,自動的にアプリケーションが立ち上がったものだった.

OS X にはそんなフォルダがないけど,どうしたらいいのだろう? 「ライブラリ」フォルダの中などを色々家捜ししたがそれらしきものは見つからず.で,ググった.

「システム環境設定...」>「アカウント」>「ログイン項目」
の画面で,OS の起動と同時に立ち上げておきたいアプリケーションを登録すれば良い.

2008年3月6日木曜日

X-Assist はイイね!

以前,「OS X に ApplWindow の代替品はないのか?」調べたとき,ASM というアプリが結構使える事を知り,早速インストールして使っていたが,すぐに試用期間を終えてしまい,機能が凍結されたままになっていた.

便利だからユーザー登録しなきゃな・・・と思いながらも,しばらく放っておいたのだが,今日偶然にも似たようなソフトを発見した.

X-Assistというフリーウェア(!!) である.このページのスクリーンショットを見てみると分かるが,OS 9 のように画面右上でアプリケーションの切り替えができる.各アプリケーションのウィンドウを個別に選択することは出来ないなど,ASM に比べると若干機能が見劣りする事は否めないが,フリーウァでこれだけの機能があれば,僕としては不満など一切無し.喜んで使わせていただこう.
 

2008年3月4日火曜日

office:mac 2008 はカス

office:mac 2008 を買った.
早速,PowerMacG4 QuickSilver/OS X Tiger へのインストール作業にとりかかるも,1GB以上も空き容量が要るとインストーラに言われて早速あきれる.さすがマイクソソフト.

システムのあるドライブの空きが少なかったので,しばらくディスクの整理をさせられる.インストール自体はすんなり終了.

さっそく Word,Excel,PowerPoint を起動してみる.どのアプリも,名前は知らないがウィンドウ上方の「スマートグラフィック」とか「ワードアート」のタブがある部分の表示がおかしい.ウィンドウ左上の三連丸ボタンも消えてなくなったりする.

まあ,Leopard ではないから,こういう症状が出てもやむを得んだろうと思いつつ,自作の Excel のファイル(マクロ含む)を開いてみて驚いた.VBA のマクロは使えませんと言われるではないか.首筋の後ろに冷たいものを感じながら,ヘルプファイルを見たり,ネットで情報を検索したりする事40分.そして辿り着いた結論.

office:mac 2008 には Visual BASIC が搭載されていない.よって VBA のマクロは動かせない.
搭載されていない理由が,「間に合わなかったから」だというのだから,開いた口が塞がらない.

今後,VBA が組み込まれる可能性はほとんどない.

Excel では自作の関数すら作れない.

あきれた.こりゃ使い物にならん.グラフィカルな資料を作るための機能は馬鹿みたいに充実しているが,これまで蓄積した数々の大事な資産が継承できないなんて.長年エクセルと Visual BASIC の組合わせを使って来た僕にとって,このバージョンはカスである.

IT関連企業はマクロ書換えなどの仕事が増えて万々歳だろうが,そんなところに作業を依頼する金もない一介の個人ユーザーにとっては,いらぬ仕事が増えるだけ.それ以前に,使いたいファイルが今すぐ使えないと意味がないではないか.

しかも,ネットで調べたところによれば,旧形式のファイルを読込み,あらためて旧形式で保存すると,一部の情報が失われることもあるという.なんなんですか,それは.

いつものことながら,マイクソソフトは一体何を考えているのだ.ユーザーの利便性を一切無視した暴挙としか言いようが無い.Mac 用に EXCEL というすばらしいソフトを世に出したころの輝きは微塵も無い.

我々はこういう腐れ企業にコンピュータ事情を引っ掻き回されているのだ.人類の知的活動にとって計り知れない損害を与えていることは,もっと喧伝されなければならない.

ていうか,金返せ.
 

2008年2月23日土曜日

marvosym.sty

とある記号が使いたくなり,S. Pakin の "The Comprehensive LaTeX Symbol List" を探したら,marvosymというパッケージの中に,所望していたモノに近いシンボルを発見.

さっそく使ってみたが,dviout でも GSview でもうまく表示されない.dviout の場合は,umvs.mfが見つからないからpkフォントが作れないと言われる.

フォントのトラブルは久しぶりだったので,こういう時の基本的な対処法をすっかり忘れてしまっていた.tfm や mf のことを検索しながら色々試行錯誤しているうちに2時間近く経過するも一向に解決せず.いい加減焦れてしまい,'marvosym' でネット検索をかけてみたら,いともあっさりと答が見つかった.orz
以下,http://www.lg.fukuoka-u.ac.jp/~ynagata/doc/marvosym.txtより引用.

以下の記述どおりに行えば,万事オッケー.
ただし,現在 marvosymパッケージのバージョンは2.1で,tfmファイルは fmvr8x.tfm から umvs.tfm に変更された模様.これに伴い,以下の記述において
   fmvr8x
は全て
   umvs
に置き換えなければならないことに注意.

% 2002.03.09. ynagata
% ynagata@fukuoka-u.ac.jp
%
------------------------------------------------------------
MarVoSym パッケージに含まれるフォント類を DVIOUT でも使える
ようにするための設定法 (角藤先生のご教示による)
------------------------------------------------------------
$TEXMFMAIN/dvips/ps2pk/pspksupp.map ファイルの最後に

% marvosym fonts
fmvr8x marvosym.pfb 0 1

という文字列を追記する

------------------------------------------------------------
MarVoSym パッケージに含まれるフォント類を dvipdfm を使って
PDF ファイル化するための設定法
------------------------------------------------------------
1.
$TEXMFMAIN/dvipdfm/ ディレクトリ内に

% marvosym fonts
fmvr8x none marvosym.pfb

という内容を含む marvosym.map という名前のファイルを作成する

2.
$TEXMFMAIN/dvipdfm/config ファイルの末尾に

f marvosym.map

という文字列を追記する

この設定は Windows に対してのみ行った.Mac はまだ.